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- 【第14回全国高等学校ゲートボール選手権大会】決勝戦の勝因を打撃表から分析!
2025.12.22
【第14回全国高等学校ゲートボール選手権大会】決勝戦の勝因を打撃表から分析!
2025年12月14日(日)、福島県会津若松市・あいづドーム(屋内人工芝コート)で「第14回全国高等学校ゲートボール選手権大会」が開催されました。
本稿では決勝戦の展開を振り返り、両校の打撃表をもとに勝利校の勝因を分析します。
決勝戦の展開
先攻:三重高等学校 VS 後攻:北海道芽室高等学校
↑ 北海道芽室高等学校・中野主将(高3)
【1巡目】三重高のタッチ通過がセットされ、三重高やや有利の立ち上がり
先攻は三重高等学校(以下、三重高)、後攻は北海道芽室高等学校(以下、芽室高)。
三重高の赤1番は第1ゲート通過を通過し、第2ゲート右前・ラインからやや離れた地点に進む。
芽室高の白2番は第1ゲ―トを通過し、一気に第2ゲートを通過、第3ゲート左上に進む。
赤3番、白4番が第1ゲート通過を見送ったあと、赤5番は第1ゲートを通過するも、第2ゲート右前に進み損ね、第2ゲート右後ろ・ライン外にアウトボールになる。白6番は第1ゲートを通過し、第3ゲート左後ろに進む。
赤7番、白8番が第1ゲート通過を見送ったあと、赤9番は第1ゲートを通過し、赤1番へのロングタッチを外して、第2ゲート右前・赤1番の右斜め前に止まる。
白10番は第1ゲートを通過し、一気に第2ゲート通過をねらったが、ゲート右脚に当たり、ゲート左脚の前に止まる。
得点は赤3―4白。だが、第2ゲート左脚前に白10番が位置しており、赤1番の第2ゲート利用のタッチ通過が予想され、三重高に有利な展開となっている。
【2巡目】第2ゲートを巡る戦いで伯仲の展開
赤1番は白10番へのタッチ通過を決め、白10番をスパーク打撃で第2ゲート右後ろ・ライン外にアウトボールにする。1打で第3ゲート左上に進み、2打で白2番にタッチ。白2番を第1ライン外にアウトボールにしようとするが、打球が弱く第1ゲート左後ろに止まる。続いて第3ゲートを通過し、白6番にタッチ。第3ライン中間・ライン外へアウトボールにし、自球は第3ライン中間・ラインから離れた地点に進む。
白2番は第3ゲート右後ろ・ラインから離れた地点に進む。赤3番と白4番が第1ゲート通過を見送ったあと、アウトボールの赤5番は第2ゲート左正面に打ち入れる。アウトボールの白6番は第3ライン中間・ラインぎわに打ち入れる。赤7番は第1ゲート通過を見送る。
白8番は第1ゲートを通過し、赤5番へのロングタッチを決める。赤5番はタッチされた勢いで第2ゲートを通過。赤5番を赤9番に合わせ球とするが、赤5番のみが第2ゲート右後ろ・ライン外にアウトボールとなる。続いて、第2ゲートを通過し、赤9番にタッチ。赤9番を第4コーナー近く・第4ライン外へアウトボールにする。次いで自球は第2ゲート右前・ライン寄りに進む。
アウトボールの赤9番は第3ライン中間、ラインから離れた地点・赤1番の右前に進む。アウトボールの白10番は第2ゲート右後ろ・ラインぎわに打ち入れる。
得点は赤6―6白。同点となり、両チームともにチャンスメーカーの上位・下位打線4球の技術が高く、伯仲した展開となっている。
【3巡目】赤1番・赤3番のスライドタッチ成功で、一瞬にして三重高有利の展開へ
赤1番は赤9番にスライドタッチをし、第1ゲート左後方に進む。赤9番を第3ゲート左前方・ラインから離れた地点へ送り、自球は第1ゲート左後方・第2ラインから離れた地点に進み、第1ゲート通過球の受け球に入る。
白2番は第3ラインの中間・ラインから離れた地点・白6番の右斜め前に進む。
赤3番は第1ゲートを通過し、赤1番にスライドタッチをして第2ゲート左上に進む。赤1番を第3ゲート左上に送り、第2ゲートを通過。続いて白10番にタッチし、白10番を白8番に合わせ球をして、ともにアウトボールにする。そして、自球は第2ゲート右前・ラインぎわに進む。
白4番は第1ゲートを通過し、赤1番へのロングタッチをねらうが、外して第3ゲートと第4コーナーの中間・ラインから離れた地点・赤9番の右前に止まる。アウトボールの赤5番は第1ゲート左後方・第2ラインから離れた地点に打ち入れる。
白6番は白2番にタッチし、白2番を第3ゲートと第4コーナーの中間・ライン寄りに送る。続いて赤9番へのロングタッチを決めて、第4ラインぎわに止まる。赤9番を第4コーナー近く・第3ライン外にアウトボール。次いで白4番へのタッチを外して第2ゲート左後ろに止まる。
赤7番は第1ゲートを通過し、赤1番へのロングタッチをねらうが、外して第3ゲート左前方に止まる。
以降、アウトボールの打ち入れが続く。白8番は第1ゲート右後ろ・第1ライン上に打ち入れ。赤9番は第3ゲート左前方・赤7番の右前に打ち入れ。白10番は第1ゲート左後方・第2ライン寄りに打ち入れ。
得点は赤9―7白。赤1番、赤3番のスライドタッチ成功により、一瞬にして三重高有利の展開となった。
↑ 三重高等学校・塚本主将(高2)
【4巡目】白8番のスライドタッチが決まり、状況が一変
赤1番は赤7番にタッチ(競技時間残り15分)。赤7番を第2ゲート左上に送る。続いて赤9番にタッチし、赤9番を第3ライン中間・ラインから離れた地点に送る。次いで白4番にタッチし、白4番を白2番に合わせ球をするが、白4番のみが第3ゲートと第4コーナーの中間・ライン外にアウトボールになる。そして自球は第2ゲート右前・ラインからやや離れた地点に進む。
白2番は赤7番へのロングタッチをねらい、外して第2ゲートと第2コーナーの中間・ライン外にアウトボールになる。
赤3番は赤1番にタッチし、赤3番を第2ゲート左前に送る。続いて白6番にタッチし、白6番を白8番に合わせ球をするが、白6番のみが第1ゲート右後ろ・ライン外にアウトボールになる。次いで自球は第2ゲート左前に進む。アウトボールの白4番は第3ゲートと第4コーナーの中間・ラインぎわに打ち入れる。
赤5番は赤1番にタッチし、赤1番を第3ライン中間・ラインから離れた地点に送る。続いて赤3番にタッチし、赤3番を第3ゲート左上に送る。次いで赤7番にタッチし、赤7番を第1ゲート左後方・第2ラインからやや離れた地点に送り、白10番への付け球とする。そして自球も第1ゲート左後方に進もうとするが、打球が弱く第2ゲート左前方に止まる。
アウトボールの白6番は第1ゲート右後ろ・第1ライン寄りに打ち入れ、白8番のスライドタッチ用の受け球になる。
赤7番は白10番にタッチ(競技時間残り10分)。白10番を白8番に合わせ球をするが、白10番のみが第1ゲート右後ろ・第1ライン外にアウトボールとなる。
白8番は白6番にスライドタッチをし、第3ゲート左前方に進む。白6番を第3ゲート右前・ライン寄りに送る。続いて赤3番にタッチし、赤3番を赤1番に合わせ球をするが、赤3番のみが第3ライン中間・ライン外にアウトボールになる。次いで赤1番にロングタッチを決める。赤1番を第1ゲート左前・第4ライン外にアウトボールにする。さらに赤9番にタッチし、赤9番を第3ゲートと第4コーナーの中間・ライン外にアウトボールにする。そして、自球は第3ゲートと第4コーナーの中間、ライン寄りに進む。
アウトボールの赤9番は第3ゲートと第4コーナーの中間・ラインぎわに打ち入れる。アウトボールの白10番は第3ゲート左上に打ち入れる。
得点は赤9―7白のままだが、白8番のスライドタッチにより状況が一変した。ただし、第2ゲート前に未通過球の赤7番、第3ゲート前に未通過球の白8番が位置しているので、勝敗の行方は依然として不透明な状況である。
【5巡目】最終打者・白10番がスライドタッチから上がりを決め、大逆転勝利
アウトボールの赤1番は第1ゲート左後方・第2ラインから離れた地点に打ち入れる。アウトボールの白2番は第3ゲートと第4コーナーの中間・ラインから離れた地点に打ち入れる。アウトボールの赤3番は第2ゲート左後方・第3ラインから離れた地点に打ち入れる。
白4番は白8番にタッチし、白8番を第3ゲート右前・4ライン寄りに送る。続いて白10番にタッチ(競技時間残り5分)。白10番を第3ゲート右後ろ・ラインぎわに送る。次いで白2番にタッチし、白2番を第3ゲート左後ろに送る。そして赤3番へのロングタッチをねらうが、外してアウトボールになる。
赤5番は赤1番にタッチし、赤1番を第3ライン中間・ラインから離れた地点に送る。そして自球は第2ゲートと第2コーナーの中間・ラインぎわに進む。
白6番は白8番にタッチし、白8番を第3ゲート右正面に送る。そして赤1番へのロングタッチをねらうが、外してアウトボールになる。
赤7番は第2ゲートを通過するが、通過タッチは不発。続いて赤3番にタッチする。赤3番を白8番に合わせ球をするが、赤3番のみがアウトボールになる。次いで赤1番にタッチし、赤1番の上がりをねらうが、外して赤1番はゴールポール近くに止まる。そして白8番へのロングタッチをねらうが、こすりながらも自球はアウトボールになってしまう。
白8番は第3ゲートを通過し、白2番にタッチしたが、打球が強く白2番をアウトポールにしてしまうが、自球は第3ゲート左後ろに残る。
赤9番は白8番へのロングタッチをねらうが、外して第3ゲート左後方に止まる(ここで競技時間終了)。
第3ゲート右後ろに位置していた白10番は白8番にスライドタッチをし、ゴールポール近くへ進む。白8番を上げ、赤1番にタッチ。赤1番をアウトボールとし、長距離での第2ゲート通過をねらうが、惜しくも不成功でゲームセットになる。
得点は赤10―10白。内容勝ちにより、芽室高が勝利を収めた。
まれに見る好ゲームとなり、芽室高は2年ぶり2回目の優勝。
三重高も前回大会の優勝には及ばなかったものの、堂々の準優勝に輝いた。
打撃表から見る北海道芽室高等学校の勝因
スライドタッチ2発で大逆転勝利に持ち込んだ芽室高
勝負に勝ってゲームに負けた三重高
決勝戦は、後攻・芽室高の最終打者が決勝点となる上がりをスパーク打撃で決め、10―10の内容勝ちという、見事な大逆転劇だった。
打撃表を見ると、タッチ数・ゲート通過率・タッチ率では、敗退した三重校が上回る結果となっている。
芽室高の勝因は、4巡目の白8番によるスライドタッチで赤3球をアウトボールにしたこと、そして5巡目、最終打者がスライドタッチでゴールボールに近づき、白8番を上げたプレーにある。
スライドタッチ2発で効率よく試合を決めた芽室高。
一方の三重高は「勝負に勝って、ゲームに負けた」悔しさを糧に、さらなる飛躍が期待される。
打撃分析・文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤 守












