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2024.09.21
【SAGA2024国スポ[公開競技] 競技会】男子決勝戦の勝因を打撃表から分析!
2024年9月7日・8日(日)に佐賀県鳥栖市・鳥栖市陸上競技場の天然芝コートで開催されたSAGA2024国民スポーツ大会[公開競技]ゲートボール競技会の男子 決勝戦について、対戦チームの打撃表(打撃内容)から勝因を分析してみよう。
男子 決勝戦のゲーム内容
先攻 滋賀県 9−13 後攻 鹿児島県
鹿児島県が6巡目からわずかな時間に奇跡的なプレイの連続で大逆転!
6巡目、スライドタッチでゴールポール近くに進み、上がり態勢に入っていた相手2球をアウトボールにして大逆転への道筋をつくった鹿児島県・白8番の曽山喬貴選手(40)
●1巡目
滋賀県の赤1番は第2ゲート左後ろに進むと、鹿児島県の白2番は第2ゲート右前、第2ラインから少し離れ気味の地点に進む。赤3番、白4番は第1ゲート通過を見送る。赤5番、白6番が第1ゲート通過に失敗したあと、赤7番は第1ゲートを通過し、長距離の第2ゲート通過を決め、第3ゲート右前に進む。
白8番は第1ゲート通過を見送り、赤9番は第1ゲート通過に失敗する。白10番は第1ゲートを通過し、長距離の第2ゲート通過を外して、第2ゲート右後方に止まった。
白10番が2巡目の赤1番にタッチされることは確実で、得点は3―2だが、滋賀県に有利な展開である。
●2巡目
赤1番は白10番にタッチし、アウトボールにして、第2ゲート右後方、第2ラインぎわに進む。白2番は第2ゲート右前、第2ゲート寄りに位置を変える。赤3番が第1ゲート通過を見送ると、白4番は第1ゲートを通過し、第3ライン中間、第3ラインから少し離れた地点に進む。赤5番は第1ゲート通過に失敗する。白6番は第1ゲートを通過し、第3ライン中間、第3ライン寄りに進む。
赤7番が第3ゲート右前、第4ライン寄りに進む。白8番は第1ゲート通過を見送る。赤9番は第1ゲートを深く通過して、白2番へのロングタッチを決める。白2番をアウトボールにし、第2ゲート通過を試みるが、ゲート右脚に当たって第2ゲート右後方、赤1番の前に止まる。アウトボールの白10番は第3ライン中間、第3ライン寄りに打ち入れる。
得点は4―4だが、3巡目の赤1番のプレイに期待がかけられる分、滋賀県有利な状況である。
●3巡目
赤1番は赤9番にスライドタッチして第3ライン中間地点に進む。赤9番を第2ゲート右前、第2ライン寄りに送り、続いて白4番にタッチしてアウトボールにしたあと、第3ゲート右正面に進む。アウトボールの白2番は第2ゲートと第2コーナーの中間、第2ライン寄りに打ち入れる。赤3番は第1ゲート通過を見送る。アウトボールの白4番は第3ライン中間、第3ラインから少し離れた地点に打ち入れる。赤5番を第1ゲートを通過して第3ゲート左後方に進む。白6番は白4番へのロングタッチを外して第3ゲート右後ろ、第4ラインから少し離れた地点に止まる。赤7番は赤1番にタッチして第3ゲート右前、第4ライン寄りに送る。第3ゲートを通過して、白6番にタッチし、アウトボールにして第3ゲート右前方に進む。
白8番は第1ゲート通過を見送る。赤9番は第2ゲートを通過し、第3ゲート右前、第4ライン寄りに進む。白10番は第2ゲート右斜め前、第2ライン寄りに進む。得点は7―4となり、依然として滋賀県有利の状況に変わりはない。
●4巡目
滋賀県は自チームのボールを第3ゲート周辺に集めて状況を見守り、赤3番は第1ゲート通過を見送る。鹿児島県は第2ゲート前方で陣形を整える。
競技時間残り15分、白8番は第1ゲートを通過し、白6番にスライドタッチをして第3ゲート周辺の赤ボールに近付こうとしたが、スッポ抜けて第3ライン中間、第3ライン外にアウトボールになる。赤9番が第3ゲートを通過し、得点は8―5となる。
●5巡目
競技時間残り10分、滋賀県の赤3番は第1ゲートを通過し、赤5番へのタッチを外して、第1ゲート正面に止まる。鹿児島県は第2ゲート周辺でもたついて得点をあげられない。そこに赤7番から第2ゲート右前の白10番、白6番に赤9番の付け球が送られ、鹿児島県はピンチにおちいる。得点は9―5。
●6巡目
競技時間残り5分、滋賀県の赤3番は赤1番にタッチして第2ゲート右前方に送り、赤9番へのロングタッチを決め、赤9番をゴールポール近くに送り、続いて白4番へのロングタッチを外して第2ゲート右後方に止まる。白4番は白2番にタッチし、白2番を第3ラインぎわの白8番の前に送り、スライドタッチの形を作る。次いで第2ゲート右前の白10番にタッチして白10番の第2ゲート通過を決めようとしたが、ゲート左脚に当たり、真下に止まる。さらに赤7番、赤1番を次々とタッチし、第2ゲート右前、第2ライン外にアウトボールにし、第2ゲート右前に進む。
アウトボールの赤5番が打ち入れに失敗したあと、アウトボールの白6番は第2ゲート右裏に打ち入れる。赤7番はゴールポール近くに打ち入れて赤9番につないだ。
ここで白8番は白2番にスライドタッチしてゴールポール近くに進む。白2番を第2ゲート右前に送ってから、赤7番、赤9番に次々とタッチしアウトボールにして第2ゲート右前に進み、ピンチを救った。ここから鹿児島県の怒濤の逆転劇がはじまった。
競技時間残り2分強、アウトボールの赤9番がゴールポール近くに打ち入れたあと、白10番は白6番への通過タッチを決める。白6番を第2ゲート右前に送り、白8番にタッチして第2ゲートを通過させる。白4番にタッチして第2ゲート正面に送ってから、2打権で第3ゲートを通過してゴールポール近くに進む。得点は9―8、残り時間はわずかに残っている。
●7巡目
アウトボールの赤1番がゴールポール近くに打ち入れたあと、白2番は白6番にタッチする。競技時間終了となり、白6番を第2ゲートを通過させる。自球も第2ゲートを通過して、白8番にタッチして第2ゲート右横に進み、白8番をアウトボールにし、白4番にタッチして白4番の第2ゲート通過を決める。さらに白10番へのロングタッチし、白10番を上げて、ゴールポール近くに止まった。得点は9―13。
このわずかな時間の奇跡的なプレイの連続で、鹿児島県は念願の第1位を獲得した。
鹿児島県をあと一歩のところまで追い詰める健闘を見せた滋賀県。写真は、シニア選手を好リードしたミドル選手たち
打撃表から分析する鹿児島県の勝因
打撃内容はほぼ互角、鹿児島県の逆転劇が奇跡的であったことを証明
打撃表を見ると、まったく内容的には互角の数値といってよく、かえって滋賀県のほうに分があるように思われる。
鹿児島県が打撃内容で数値的に優っているのは、タッチ失敗のわずか「2回」くらいである。
とくに、アウトボールの打ち入れが「9回」もあったことを見ると、よくこれで勝てたと思う。
これは終盤戦の競技時間残り2分強からの逆転劇が奇跡的なほどに、いかに無駄なく効率的にできたかの証明でもあり、素晴らしかったの一言に尽きる。
打撃分析&文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤守